Ψυχή-黎明

Ψυχή-黎明 08

第一幕:来訪者

LEP ライフ・エレメンタル・パーティクル

08『O.UNI-X 第四惑星へ』 未知の惑星とライフ

ワンは、そんなブリッジの空気を気にすることなく淡々とマザーに指示を出していく。

「マザー、第四惑星への進路を設定。直ちに出発準備を開始してください」

O.UNI-Xは新たな未知へとその航路を定める。そして、まだ誰も理解していないが、この選択が皆を、以前へと戻れない旅にいざなうことととなる。

荒廃した第三惑星を背に、O.UNI-Xは新たな目的地、第四惑星へと進路を向けた。マザーが設定した航路に基づき、船体は滑らかに、しかし加速を伴いながら宇宙空間を切り裂いていく。ブリッジには、先ほどの絶望とは異なる、静かな集中力が満ちていた。

第四惑星に向け、船の積載センサーが活発に動き出し、その環境情報をブリッジのメインスクリーンへと映し出していく。驚くべきことに、第四惑星は事前の情報がほとんどないにもかかわらず、モニターのデータには驚くほど多彩な情報が示されていく。そして、この最初の観察と調査で、とんでもない事実が発覚した。

「第四惑星の周囲を回る三つの衛星、その軌道が極めて不安定だ」

ライトが解析結果を読み上げる。

「「特に、惑星から一番遠い衛星は、およそ1.27ラドの距離にあり、直径は3474レイ。二番目の衛星は0.93ラドで直径約2000レイ、一番近い衛星は0.6ラドの位置にいて直径約1000レイ。この距離と質量で、これほどたくさんの衛星がいるのは尋常ではないな」」

スクリーンに表示された惑星データは、さらに驚くべき情報を示していた。

「あと、第四惑星上に豊富な水源を確認。三つの衛星からの強大な重力の影響で、すさまじい潮汐が発生している。地表の大部分がまるで呼吸するように水位を上げ下げしている……。これは毎日大津波の世界だな」

ライトのデータを読み上げる声に、驚きが隠せていない。

「しかも、惑星自体が潮汐ロックを起こしており、常に同じ面を衛星に向けている。そのせいもあってか、自転周期が極端に遅く一日はおよそ惑星時間で8クロノス。公転周期は同じくこの惑星時間で687オービット、これは第三惑星時間に換算すると約1.88ゼノンです」

情報が次々とアップデートされ、この未知の惑星が持つ特異な環境が明らかになっていく。

「……なるほど。これはまさに、LEPを根付かせるための、理想的な環境とも言えるかもしれません」

ワンが静かに呟いた。彼の視線は、荒れる潮汐の惑星のデータに釘付けになっている。

「現状のデータから、第四惑星へのLEPの配布は十分に可能と判断します。本来の目的である命の素、LEPの惑星への配布フェーズに移行します」

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